私も見てました、キムタク主演ドラマ「華麗なる一族」。昨日はついに最終回。
万俵鉄平と大介の法廷での親子対決は、最後の手段を使った大介の逆転勝利に終わった。
鉄平はすべてを失い、その怒りと悲しみを父に打ち明ける。
「お父さんはそんなに僕が憎いんですか?」
「もしもお前が生まれなければ俺の人生も変わっていたと何度も思った。しかしお前は生まれてしまった。それが俺とお前の宿命なんだ。」
父も運命の犠牲者だと知った鉄平は、自分の存在を嘆き丹波山系で自殺を図る。
奇しくもその一報は大介が夢見た新銀行の発表記者会見中に届く。
知らせを受けた大介は警察署へ赴く。死体安置所で鉄平と無言の再会を果たす。
「これが息子さんの死体検案書です。」
地元の警察官に促され確認した文書には血液型B型との表記が!
「あいつは確か戦時中の集団検査でA型と言われたはずだ。」
「戦時中の検査は良く検査ミスがあったんですよ。これはちゃんと調べたから間違いありません。」
「お父さん!鉄平は私たちの子供だったんですよ!」
妻・寧子に言われ、初めて鉄平が自分の子であったと知る大介…。
という話だったが、ここで医者として興味深いことを考えた。
血液型の考察は正しいのか?ということだ。そこで考えてみた。(ここからやっと本題)
まず下の図をご覧頂きたい。
図1 図2
万俵敬介 = 女 女 = 万俵敬介 = 寧子
I I I
大介 = 寧子 大介 鉄平
I
鉄平
視聴者は当初、図1の設定で見ているが、次第に図2であることに気付く。
また事前情報として血液型の決定方式も知っておきたい。
一般的は血液型はABO式血液型と言って、赤血球上にあるAとBの2つの因子(抗原)によって決定する。
つまり赤血球上にAという因子があるとA型、Bという因子があるとB型、両方あるとAB型、どちらもないのがO型と言うように決まる。
また両親からそれぞれ1つづつ因子をもらうため、A型とB型の子供にAB型や、A型とO型の子供にO型が生まれることもある(この場合のA型はA型因子を1つしか持っていないAOタイプのものに限る)。
さて話は戻るが、鉄平の血液型はA型とされていたが、その死後B型と判明する。
そこで考えるとまず、鉄平の母は寧子であることは間違いのない事実である。そして敬介の子の場合はA型、大介の子の場合はB型になる組み合わせを考えればよい。
つまり寧子の血液型が大勢には影響しない場合を考えなければならない。
寧子にA因子が入っていると大介の子の場合でもA型が出現し得るため、寧子の血液型はB型かO型であることがわかる。ここでそれぞれの場合を細かく考えてみる。
①寧子がO型の場合
敬介の子の場合A型で、大介の子の場合B型になるのは敬介がA型、大介がB型のときだけである。
もし大介がAB型だと大介の子もA型になり得るためである。また大介がO型ではB型の子供(鉄平)は生まれない。
詳細を考えると敬介がAAタイプのA型(以下、A型(AA)と表記)の場合、鉄平の血液型は説明がつくが、大介の血液型の説明がつかなくなる。A型(AA)の親からは必ずA因子が子供に渡される。つまり大介の血液型はA型もしくはAB型となってしまうのである。
また敬介がA型(AO)の場合はどうであろうか?
大介がB型(BO)であれば可能性がある。祖母(大介の母、図中では「女」と表記)がB型で、祖母のB因子と敬介のO因子(敬介からの遺伝情報がゼロの意味)を大介が引き継げばB型(BO)になる。
②寧子がB型の場合
やはり敬介がA型であることは必須条件だが、この場合大介の血液型はBでもOでも良い。
大介の血液型がB型かO型になるためには、敬介の血液型はA型(AO)しかあり得ない。
また大介は必ずO因子が入る(B型(BO)、もしくはO型(OO)になる(前述))。
さらに寧子もB型(BB)では子供の鉄平に必ずB因子が遺伝されるため、B型(BB)ではなくB型(BO)であることがわかる。
よって敬介は必ずA型(AO)であり、大介がB型(BO)と寧子がO型(OO)の組み合わせと
大介がB型(BO)と寧子がB型(BO)の組み合わせと
大介がO型(OO)と寧子がB型(BO)の3通りのみである。さらに確率論もあわせて考えたところ、
大介がB型(BO)で寧子がB型(BO)の場合が一番可能性が高いらしい。大介の敬介を受け入れない性格と寧子のマイペースな性格や血液型で自分の子かどうかを知ることが容易にできることを考えると、上の可能性がやはり一番高いかな?最後は血液型の性格診断出しちゃった。医者らしくないなぁ。